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【4回目のバルーンカテーテル手術を終えて 『肺高血圧症』治療の希望】 [健康・病気]

4回目のバルーンカテーテル手術を終えて
『肺高血圧症』治療の希望
手術室
妻の『慢性血栓塞栓性肺高血圧症』闘病の続報です。
まずは手術のための入院も無事終え、退院することができました。
やっぱり家族が揃うというのはいいもんです。
(^_^)

この記事の目次



肺高血圧症の手術について

過去の記事でもお伝えした通り、妻の病気の治療は手術をメインに行っております。

過去の関連記事一覧へ

『バルーンカテーテル』という内科的な手術法です。

従来の主流(というか唯一の手術法だった)外科手術と比較して、この手術の良いところは『患者への肉体的な負担が軽いこと』です。

そのため『比較的短期間に複数回の手術が可能』ということです。

医療機器

今回、妻は1週間の間をおいて、『第3・4回目』の手術を受けました。

肺の全体にわたる血管が血栓により詰まってしまい、とても1回の手術では治癒するまでの効果が得られないことが明らかであり、複数回の手術を受けることは最初からの治療方針でした。

この病気について簡単にご説明しますと

血液の流れ

〔左心室〕  (大動脈)  (全身の動脈)  (毛細血管)  (大静脈)  〔右心房〕 

〔右心室〕  (肺動脈)  『肺』  (肺静脈)  〔左心房〕  〔左心室〕 … 以下リピート


秋田大学提供 血液の循環に関する動画


動画の0:50付近でポーズボタンをクリックして静止画として見ると血液循環がビジュアルで確認できます。

図の『肺』の青い部分の血管(肺動脈の網目状の部分)が私の妻の詰まっている部分です


肺動脈が詰まるとどうなるのか?

肺動脈が血栓などで詰まるとどうなるのか?

右心室から血液を『送り出しにくく』なり肺動脈内の血管の圧力が高まります。

『肺高血圧症』という病名たる所以です。

水撒きホースの先端を押しつぶすとホース内部の圧力が高まりホースがパンパンになるのと原理は一緒です。

その結果として肺への血流のポンプ役を果たす『右心室』の負担が高まり、右心室は無理をします。

無理をすると右心室の壁が厚くなり大きさが拡大して機能低下が起こり、十分な血液が送り出せなくなります。

更に右心室が拡大するため、隣り合う左心室は相対的に小さくなります。

この様な状態を心不全(右心不全)と呼びます。

私の妻の場合も最初の入院時に既にこの状態になっており心臓の大きさも形も変わってしまっていました。

肺では全身に酸素を供給して二酸化炭素を多く含んだ血液(図の青い部分)を酸素を多く含んだ血液(図の赤い部分)に変換する役割があるわけですが、この様な心不全の状態では十分な酸素を全身に行き渡らせる能力が低下するため、全身への酸素供給がうまくいかなくなってしまいます。

これが『慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)』という病気のメカニズムです。

専門機関のサイトで確認する


治療はどの様に進めているのか?

病気の元々の原因は血栓が血管を詰まらせていることによるわけですが、治療は血栓を取り除いて正常になるまでの対応も必要なことから、今回行ったバルーンカテーテル以外の治療も並行して行われています。

まず即時に血管の状況を良くできないことから血流が少しでも良くなる様に血液をサラサラにする薬を服用しています。

また血管を拡張(血管の内径を広げて少しでも血液が通り易くするため)するための薬も服用しています。

また症状として現れるむくみなどを抑えるために利尿効果のある薬も服用します。

そして血液循環の不十分さを補うために酸素の供給量を補助するため酸素吸入を行っています。

この様にして血栓の除去がなされなくても肺動脈の圧力を低下させる治療を行い、右心室の負担を軽減させ右心不全の回復を目指します。

これらのことから、この病気の経過を見る上で非常に大きな指標が『肺動脈圧』となります。

点滴


妻の肺動脈圧の推移

この病気は肺動脈の平均血圧が25㎜Hg以上の状態であるとされています。

正常な人の平均血圧は10~15㎜Hg程度と言われているそうです。

妻が最初に入院した時の肺動脈の平均血圧は、49㎜Hgだったということです。

正常値の約5倍ほどの血圧です。まさに血管がパンパンな状態であったろうと思います。

心臓の形だって変ってしまうはずです。

折れ線グラフ

ちなみに一般的に『血圧』という場合には大動脈内の圧力のことを指し、収縮時で130㎜Hg未満、拡張時で85㎜Hg未満程度が正常値と言われていますね。

仮に一般の血圧に置き換えて妻の状態を考えてみますと、平均を100㎜Hgとすると妻の肺動脈の状態は一般の血圧で500㎜Hgになってしまっている状態でした。

異常度が少し想像できるかもしれません。

(もちろん血管の長さなどが異なりますので、単純に二つを比例して考えるのは無意味ですが…)

とにかく正常が10~15難病指定の条件が25という数値に対して、入院時の妻の数値は49という状態でした。

医師からはこの状態は『2年間生存できる確率が20%以下』という数値だと説明を受けました。

この数値(肺動脈圧)が上がれば上がるほど生存期間が縮まり、生存確率が下がる、それがこの病気の現在の一般的な見解のようです。

この病気に初めて触れこのブログにもし辿り着いた方がいらっしゃいましたら、是非希望を持っていただきたいと思います。

私の妻は最初の2回の手術でこの数値が30㎜Hg程度まで下がりました。

前回3回目の手術の直前に測定した数値は27㎜Hgでした。

「あと2㎜Hg下がればこの病気のラインより低い数値になる」、そんなところまで回復しました。

そして前回受けた第3回目の手術後1週間経過して測定した数値、つまりは今回の第4回目の手術の直前に測定した結果は21㎜Hgだと教えて頂きました。

20~25㎜Hgは臨界状態のようで、正常値まではいかないが難病該当まではいかない程度の要観察状態、そんなところのようです。

初めて入院したのが昨年2013年の7月です。それから約1年でここまで良くなりました。

執刀して下さった医師のお話では術後1週間程度で手術した結果が数値に反映され始めるとのことでしたので、更に数値が下がる希望も持てる、そんな状況です。

 バルーン


患者から見たバルーンカテーテル手術

妻からの聞きかじりで私が直接味わったわけでは無い部分がほとんどですが、できるだけ本人から聞いたままをお伝えしたいと思います

手術時間

大体3時間程度です。

実際に手術室に入ってから終了と言われた時までですので、実際に手術時間以外に準備等も含まれるかもしれません。

また第1回目の手術時はそれ以降よりも事前検査を入念されたと聞いております。

そのため治療そのものに割いた時間はもっと短いかもしれません。

全体として3時間から3時間半程度の手術でした

カテーテルの挿入

カテーテルは第1回目、第2回目の時は太ももの付け根から挿入されました。

今回の第3回目と第4回目は首から挿入されました。

太ももから挿入する方が血管が太く挿入しやすく患者の痛みが少なく手術もしやすいことから、第3回目も太ももからの挿入をチャレンジしましたが、なかなか挿入に適した血管を見つけられず血栓の除去作業の時間が削られることを考慮して血管の探しやすい首から挿入したのです。

顎が邪魔になるため医師にとってカテーテルの操作がし難いというデメリットがあるものの太ももの血管を探せない時には比較的よく使われる挿入部位だそうです。

首から挿入した時は手術中は顔面に布を被せられるため視界が遮られていたそうです

麻酔

麻酔は全身麻酔ではなく局部麻酔です。

従って意識ははっきりしていて目も耳も普通の状態です。

手術中の会話は全て聞こえたそうです。

太ももからカテーテルを挿入した時には周りもある程度見えたそうです。

ときどき画像を撮影するために深呼吸したりする指示があるそうです

痛み

麻酔をしていますが、全く痛みを感じないわけではないそうです。

太ももと比較すると若干首の方が痛かったそうです。

カテーテルの出し入れの時に皮膚が吊られる感じで刺激されたり、医師に挿入部分を押さえつけられた時の痛みが太ももよりも痛いようです。

ですが、出産を経験している妻は私と比べ全体的に痛みへの耐性が強いと想像しています。

私ならもしかしたら騒ぐレベルなのかもしれません

術後

術後は首から挿入の場合は挿入部分を3時間程度動かしてはいけなかったそうです。

振り向いたりするときは体ごと振り向く必要があります。

しかしながら太ももの場合は、5時間程度下半身を動かすことができません。

下半身全体を5時間動かせないのは結構つらいとのことでした。

術後は首からの挿入の方が楽だったようです

造影剤

手術中は血管の状態をモニターするため造影剤が注入されます。

血管を「熱いものが通る」感覚になるそうです

術後の対応

以前の記事でお伝えした通り、バルーンカテーテル手術で最も気を付けたい合併症が『肺水腫』です。

パンパンに張った高血圧の血管に一気に血流が回復することにより血管を破り肺に血液が漏れ出してしまうと、最悪の場合呼吸困難に陥ると説明を受けました。

複数回行うことにより徐々に肺動脈圧が低下してそのリスクが軽減されていきます。

そのため、この手術を行う場合にはかなり慎重に進めます。

また術後も万一に備えて集中治療室で24時間体制で異常が発生しないかをモニターしました。

妻の場合は第1回目と第2回目の手術の時に術後に集中治療室(ICU)で一晩過ごしました。

幸い特に緊急事態は発生することもありませんでした。

そして肺動脈圧が危険水域を脱していた第3回目と第4回目の術後はICUに入ることなく、術後すぐに一般病棟で過ごすことになり、食事も術後1時間半後には摂っていました。

非常に微細な血管にカテーテルを通して行う手術で細心の注意を払いながらの手術であるのでしょうが、胸を開いて行う外科手術と比較すると患者への体力的負担のみならず、患者本人、家族、双方ともに精神的負担は小さい、その様に感じました。

術後はそれでも疲れるようでぐったりというほどではありませんが、少し眠らせてあげたい、そんな感じでした。

病室


妻の今後の治療方針

妻のごん後の治療方針は以下の様な感じです

投薬

投薬の方針は今までと基本的には変わりません。

『血液をサラサラする薬』 『肺の血管を拡張する薬』 『利尿剤』 により高血圧症を治療していきます

在宅酸素療法

今回、手術を行った結果、肺動脈圧は非常に良好な数値を示しており、医師からは安静時の酸素吸入は自覚症状が特になければ不要という朗報を頂きました。

但し、心臓の負担は投薬と酸素吸入によって補われている側面があるので急に外すことはできません。

6ヶ月ほど様子を見るということになっています。

KALDI_やぎべぇ

次回の検査

次回は6ヶ月後に2泊3日の検査入院を予定しています。

この検査では実際に運動を行った場合にどの様な心臓や肺静脈に変化があるかなどを細かく調べるそうです。

それで問題無ければ、もしかしたら在宅酸素はしなくても良くなるかもしれません。

また、薬についても投薬の方針が変わるかもしれません。

但し、『血液をサラサラにする薬』は一生飲み続けなくてはならないようです。

血栓の発生原因を特定できていないので、血栓の発生予防、できた時の症状の緩和として最低限必要な薬のようです。

6ヶ月後は発症から1年9ヶ月ほど経過していることになりますが、その時にはきっと動画で妻に伝えたようにみんなで旅行に行けるまで回復できるのではないかと思います。

ピクニック ホテルグリーンプラザ白馬_ホール
【長野旅行 ホテルグリーンプラザ白馬に泊まってみた感想】


最後に

どうか、同じ病気になってしまってびっくりしている患者さん、ご家族の方がいらっしゃいましたら、こんな重症な状態で治療を始めても比較的短期間でここまで回復することができますので希望を持って前向きに、そして肩の力を抜いて、でも、何事にも慎重かつ確認を怠らないようにしながら病気に向き合って頂けたらと思います。

最後にこのブログを通して妻に励ましのお言葉を頂いた皆様、感謝申し上げます。

妻も常に(入院中も)このブログを見ておりまして、とても励まされたと感謝しております。

また今回動画製作が縁で妻に励ましのお言葉を頂きました歌手のはなP∞さん、そして妻の代わりに家事をしてくれた家族…。

病院の方々、私を繁忙期で快く休ませてくれた会社の人たち…。

こんな高度な治療を受けさせてくれた国の制度。

私も妻も沢山の方々に感謝しなければならないと思っています。

本当にありがとうございました。<(_ _)>



医療関係者の方への応援メッセージを募集しています!

感謝の気持ちを伝えるサイト、ThanksDR(サンクスドクター)

 


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