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【不動産投資におけるキャッシュフローについて考えてみた その2】 [不動産投資]


〔04〕
不動産投資におけるキャッシュフローについて考えてみた その2

中古区分マンションの購入を例にとり購入後のキャッシュフローについて検証してみました。

今回はその『不動産投資の成否』という観点からキャッシュフローを考えてみたいと思います。

電卓と書類とペン

よく不動産投資は、『日々のキャッシュフロー』がプラスになる投資スタイルは◎、『日々のキャッシュフロー』がマイナスになる投資スタイルは×という論じられ方をします。

不動産賃貸業を運営する上で日々のキャッシュフローがマイナスであるということは、追加資金を必要とする点で確かに『歓迎しない状態』なのかもしれません。

でも、それは一側面に過ぎないと思います。


不動産投資の目的は手持ち資金を増やすこと

極端な話、『不動産を購入して、運用して、いずれ、それを売却する』という行為で、手持ちのお金を(もしくは借入をしてゼロから)増やすことが目的だと思います。

ですから購入してから売却などによって、その投資が終了するまでの間にキャッシュがいくら『増えたか』が重要で、

『日々のキャッシュフロー』はその『途中経過』に過ぎない

ということです。


手持ち資金1千万円を運用するとどのくらい増えるのか?

例えば…

ここに1,000万円があります

年利0.003%の半年複利の定期預金で運用すると…

《半年後のこの資金は?》
(利子の計算)
10,000,000円×0.003%×6ヶ月/12ヶ月=150円

(利子にかかる税金)
22円+7円=29円

(半年後の資金残高)
10,000,000円+150円-29円=10,000,121円

1年後のこの資金は?

(利子の計算)
10,000,121円×0.003%×6ヶ月/12ヶ月=150円

(利子にかかる税金)
22円+7円=29円

(1年後の資金残高)
1,000,121円+150円-29円=10,000,242円
     … … …

これではいつまで経ってもお金は増えそうにありません。


1,000万円を『もとで』に、不動産投資をしてみよう

定期預金より増えるんじゃないか?

諸経費100万円で900万円の築20年の中古区分マンションを購入したとします。

このマンションは年間家賃収入が100万円の物件だとします。
いわゆる『表面利回り10%』の物件ですね。

1年目のキャッシュフロー

年間家賃収入が100万円ありますが、経費もそれなりにかかります。

マンション管理組合に支払う修繕積立金だとか管理費、賃貸管理を任せている不動産屋さんへの手数料の支払い、固定資産税、いろいろあると思います。

ここでは話を簡単にするために年間経費は40万円かかるとします。

そうすると年間の賃貸業からのキャッシュフローは、『100万円-40万円=60万円』となります。
いわゆる『実質利回り6%』の物件ですね。

でも…

購入時に1,000万円を出費していますので、1年目のキャッシュフローは、

60万円-1,000万円=▲940万円

つまり940万円の『赤字』となりました。

1年目の累計キャッシュフロー:
▲940万円


2年目のキャッシュフロー

さて、2年目は1年目の『儲け』に対して税金の徴収がきました。
10万円とします。

この年のキャッシュフローは…
『100万円-40万円-10万円=50万円』

2年目の累計キャッシュフロー:
▲890万円


3年目以降のキャッシュフロー

2年目と同様に推移するとします。

つまりは毎年キャッシュフローはプラス50万円となります。

3年目の累計キャッシュフロー:
▲840万円

4年目の累計キャッシュフロー:
▲790万円

5年目の累計キャッシュフロー:
▲740万円



キャッシュフローがトータルプラスになるのは?

この調子でいくと、キャッシュフローがプラスになるのはいつでしょうか?

つまり、投資した1,000万円がいつ回収できるか?ということです。

最初の年だけ60万円であとは50万円のキャッシュフローがあるわけですから、

(1,000万円-60万円)/50万円=18.8年

つまりは20年あれば投資資金は回収して築40年のマンションも手元に残ります。

20年目の累計キャッシュフロー:
+10万円



では売却したら?

では仮に購入後10年運用したのちに売却したらどうでしょうか?

『いくらで売れるのか?』はその時の市場の状況によりますが、マンションは経年劣化していくので、通常は10年もすれば購入した時よりも物件の価値が低下して価格は下がります。

900万円で購入した物件が700万円で売れたとしましょう。

売却にも手数料などの諸費用がかかりますが、100万円だったとします。

そうすると…

700万円-100万円=600万円 

売却により600万円のキャッシュを手にすることができます。
(税金はかからないとします)

賃貸業で初年度が60万円、その後は毎年50万円キャッシュを稼いでくれたので、

60万円+50万円×9年=510万円

2つを合わせると…

600万円+510万円=1,110万円

つまり…

10年運用して110万円稼いでくれたことになります。

利回りは…

110万円/1000万円/10年=1.1%

ということになります。
(割引現在価値などの複雑な話は無視します)


10年運用した時の損得勘定

このようなことが『約束』されていれば少なくとも定期預金で運用するよりはお得です。
 
でも購入した時に900万円で売りに出されていた物件が700万円で確実に売れるかなんてわかりません。

火災や地震で『消滅』してしまったなんて特殊事情は無視するにしても相場の変動や物件の使用状況によって売却価格は変わってきます。

600万円でしか売れなければ、上記の算式にあてはめると、1,000万円を10年運用して10万円ですから、『リスクを取った割にはショボい』ってことになります。


不動産投資は『終了しないと良し悪しが判断できない』

何が言いたかったというと、不動産投資は『終了しないと良し悪しが判断できない』ということです。

日々のキャッシュフローが回っていようが、いまいが、終わってみないとわからないということです。

20年運用して投資資金を回収してしまえば、売却諸費用や税金を上回る金額で売却すれば、それはまるまる『儲け』となるので、少なくとも『損はしない』という状況は確定できるかもしれません。

ただ、2年目・3年目のキャッシュフローが良くても売却価格が見込み違いとなる状況に見舞われれば吹き飛んでしまうかもしれません。

ですから、よく『利回り〇〇%で運用』と言ってもそれは…

購入した時とおんなじ金額で売却が確定している前提です。

あくまでも『仮の利回り』を表しているに過ぎません。


不確定要素はもっとイッパイ!

実際の不動産賃貸業では変動要素はもっと沢山ありますよね。

今回の例では現金での購入でしたが借入金を利用すればキャッシュの動きも全然違うものになります。

また金利の変動と言う要素の影響も受けます。

家賃相場の下落や退去に伴う修繕が想定以上にかかってしまってキャッシュが出ていった、

退去後になかなか次の入居者が決まらなくて空室期間があって年間50万円のキャッシュフローが実現できなかった、

いろいろな要因で当初の『満額のキャッシュフロー』が得られないということもあるかもしれません。

滞納者に居座られていつまで経ってもキャッシュが入ってこないなんてことだってあるわけです。


初期のキャッシュアウトが多ければ、日々のキャッシュフローが良いのは当たり前

現金で購入すれば、最初に『ドバっと』キャッシュがアウトする反面、日々借入金の返済をする必要がありませんから、

日々のキャッシュフローは良いに決まっています

逆に借入金で購入すれば最初に『ドバっと』キャッシュがアウトしません。
 
その代り現金購入には無い『利息』の支払いが余計にかかりますから、日々のキャッシュアウトを積み重ねれれば現金購入よりも累計キャッシュアウトが多くなります。


だから大事なのは『フロー』だけでなく『ストック』

ですから、キャッシュフローで大事なことは、『累計のキャッシュフロー』と『投資が終わった時のキャッシュがどうなっているか?』です。

日々キャッシュが回らなくなると借入しないと支払いができなくなりますので困りますから日々のキャッシュがマイナスにならない、ということも大事ですが、最終的にはキャッシュを増やすことが目的ですから『累計』と『最終残高』が大事なのです。


例えば…

借入金を利用すると物件の利回りによっては、日々のキャッシュフローがマイナスになる場合があります。

でも現金購入の様に最初に『ドバっと』手持ち資金を吐き出していないわけですから手元に温存できるわけです。

この例で言えば、1,000万円の手持ち資金のうち、諸経費100万円だけ手元資金を使って、残りの900万円を銀行借り入れでまかなって900万円の現金を手元に温存すれば、仮に年間100万円の資金ショートを起こしても9年は何とかなるわけです。

もちろん前述のように借り入れをすれば『利息』という余計な経費がかかるわけですから『他に使いみち』がない資金なら現金購入よりもキャッシュフローが良くなるわけはありません。

でも同じように借り入れをして同様の投資を5回やりたければできるわけで、そちらで資金を生むこともできるかもしれません。


キャッシュフローは2通りの考え方が必要

1つはそれぞれの投資、例えばAマンション単体でのキャッシュフローを見たときには、日々のキャッシュフローだけでなく、『累計』でどういう状況なのか、『最終的』にどうなるのか、を把握すること。

ここでいう『把握』とは…

購入前や購入して運用している最中に未来を『予測』する、ということと

過去を『計測』するということです。

もちろん、『最終的にどうなるか』は常に『予測』ですけどね。


そして、もうひとつは単体の物件ごとのキャッシュの動きではなく、自分自身の状況全体にとって『キャッシュ』をどういう状態にすれば良いかということです。

例えば…
  • 手元に不急の資金があって投資を考えた場合に全額投資につぎ込んでしまうのか
  • 病気や怪我、リストラなどに備えて現金を温存する必要があるのか
  • いくら投資に振り向けられるキャッシュがあるのか
  • 投資で得られたキャッシュをどんどん次の物件や他の投資方法に『再投資』するのか
  • 『いくら儲け』を出せば目的が達成するのか
  • 『日々のキャッシュフローがいくら』になれば自分の投資の仕組みが完成するのか

こんな風に『全体』を通したプランやビジョンに基づくと、

『今回の不動産投資はどういう位置づけでどんな〔キャッシュフロー〕であるべきなのか』

なんてことを考えておく、といったことです。


リスクのあるキャッシュフローの一例

『再投資』なんて話もしましたが、借入をして投資して日々のキャッシュフローも累計のキャッシュフローも最終のキャッシュフローもプラスで回すことができれば運用利回りは良くなります。

いわゆる『レバレッジをきかす』ってやつですね。

諸費用すらローンで賄う、いわゆる『オーバーローン』で不動産投資をしてキャッシュがうまく回せれば投下資本ゼロですから、投資利回りは無限大、やればやるほど儲かる、笑いが止まらない状態です。

もちろん、お金を貸してくれる人がいれば、の話ですが。

でも、これは投資が手仕舞いするまで目論見通りにいけば、という仮定の上に成り立つ話です。

不動産投資は株式売買の様にすぐに手仕舞いできるようなものではありませんので、手を広げていけばリスクも当然高まります。

現金購入ならば、仮に状況が悪化しても、『損失を覚悟』すれば投資を手仕舞いできますが、借入をしていてはそれができないケースがあっという間に襲います。

『辞めたくても辞められない』状況です。

売却金額と賃貸からのキャッシュフローの累積だけでは借入金を返済しきれない状況になったら、自分ではコントロール不能になる可能性があります。

良く言われるのが、『レバレッジ』は投資を加速させる側面を持つ一方で、失敗した時にも状況の悪化を加速させる、いや、あっという間に壁に激突という状況を作ってしまう怖い側面もあるわけです。


不動産購入活動をしていた時の私の経験

私自身、投資用マンションの売買をする不動産業者の営業マンからは利回りの話はしてもらえても、売却想定価格について話を聞いたことはありません。

常に『購入時と同じ価格で売却できる前提』でしか利回りは語られません。

酷い時は『日々のキャッシュが回っていれば投資としては問題ないですよ』なんて、乱暴な言い方をして購入を力強く勧めてくる人もいます。

そりゃぁ、相手は商売ですから、勧めてくるのは当たり前ですが、いくらなんでもそりゃぁ、どんぶり勘定でしょう、って人も山ほどいます。

ですから、これから不動産投資をやってみようか、とお考えの方は、『ご都合主義』の『収支計画書』を鵜呑みにせずに『自分で納得するまでシミュレート』することを放棄せずに不動産投資に向き合って頂けたらと思います。



今回はとても大雑把な例でご説明しましたが過去記事ではもう少し細かな計算例を取り入れた説明をしていますので宜しかったらご参考にしてみて下さい。

キャッシュフローの一側面を形成する『税金』を計算するためには、利益、税法上の『所得計算』もできなくてはなりません。

建物の減価償却計算、そもそも購入物件を土地と建物にどう按分したらいいか、

そんなことも計算しなければなりません。

お役立て頂けたら幸いです。

この記事は2013年5月16日現在の法律等に基づいて書かれていますが、各自の計算についてなんら保証するものではありません。
実際に計算する場合には税務署、税理士などの専門家へご確認の上計算をお願いします。
  <(_ _)>

次の記事はコチラ

〔05〕
購入初年度のキャッシュフロー
中古区分マンション編

不動産投資で比較的「管理すべき数字」が単純な『区分所有マンション』の一室を購入した場合を例にとってみます。

ワンルームマンション投資のキャッシュフロー

不動産投資で重要な『指標』であるキャッシュフロー。
不動産投資は事業性が強い投資です。
このことに着目して区分所有マンションのキャッシュフローを題材にして『どの様に』実績や予測をしていくのかを解説します。
電卓と書類とペン

マンション投資の儲けとは一体どのように計算されるのでしょう…
投資指南本では、ほとんどが「キャッシュフロー」が呪文のように繰り返されます。
支払い側、キャッシュアウトフローの忘れてならない重要な点として「購入時のキャッシュアウトフロー」が挙げられます。
不動産投資もインカムゲインを重視した投資と考えると株式投資よりもはるかに事業性、事業運営の要素が強いということだと思います。その場合、重要なポイントが「キャッシュフロー」ということになるかと思います。
中古区分マンションの購入を例にとり、購入後のキャッシュフローについて検証してみました。
今回はその『不動産投資の成否』という観点からキャッシュフローを考えてみたいと思います。
不動産投資の場合、月々とか年間とかのお金の流れを捉えます。例を挙げて考えてみましょう。
不動産投資で比較的「管理すべき数字」が単純な『区分所有マンション』の一室を購入した場合を例にとってみます。
今回は、翌年のキャッシュフローがどうなるか…、更に具体例で説明したいと思います。
サラリーマンが不動産投資をした場合の不動産所得とその税金について中古区分マンションを購入したケースで考えてみましょう。
前回はサラリーマンが不動産投資をした場合の初年度の不動産所得とその税金について、中古区分マンションを購入したケースで考えてみました。
今回は次年度以降について考えてみます。
中古区分マンションを購入した場合の取得価額を求めるのに購入代価を土地と建物に分ける必要があります。契約でそれぞれの代金が分けられている場合には問題ありませんが、代金が土地建物合算された場合には『按分する』必要があります。どうやってするのでしょうか?
「サラリーマンが不動産投資をした」という前提で個人の不動産所得計算に必要な減価償却費を計上するにあたってどうやって計算すればいいのかをお伝えします。





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