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【軍事費の推移 ~統計の見方を考える】 [統計の部屋]

東京新聞に『中国の海洋進出』と題した特集記事が載っていて何となく読んでいたら…。

「アジア各国・地域の軍事費の推移」というグラフで中国の軍事費の伸びが著しいグラフとともに、日本の軍事費もグラフが載っているのですが、2007年から結構な伸びを示しています。

戦闘機

先日、防衛費の追加予算が要求された記事を読んだ時に日本の防衛費が年々縮小されていて久し振りに増加するということで『右肩下がり』のグラフを見ていたので「あれ?」って感じでした。

今回、東京新聞に掲載されていたグラフの出典は、

『CSIS:戦略国際問題研究所(戦略・国際問題研究センター)
(Center for Strategic and International Studies ) 』

という、アメリカのシンクタンクでした。

ちょっと調べてみました。

防衛白書の防衛関係費
クリックで拡大します

防衛白書_防衛関係費

防衛関係費_予算の推移

確かに近年減少しています。

実は…。

CSISは、アメリカの機関の資料ですし各国比較ですので、ドルベースでの統計です。

ですから、2007年当時の1$=120円と2011年の1$=79円では、ドル換算率が全然違います。

為替レートの推移(2007年1月~2012年12月) - 世界経済のネタ帳

それが原因でした。

実際に計算するとなるほどな結果でした。

海外の人はドルベースのデータをみる時にこの様な換算も頭の中でしているのでしょうか?

逆に私たちが他国のデータをみる時にも同様の注意が必要かもしれません。

ってことで、今回の東京新聞の記事の『中国』ですが、やっぱり中国元も対ドルではかなりの『元高』で推移しているので現地通貨ベースではグラフもかなりなだらかになるでしょう。

為替レートの推移(2007年1月~2012年12月) - 世界経済のネタ帳

インフレ率の推移はこんなもんです。

インフレ率(年平均値)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳


グラフってビジュアル的にわかりやすいのですが、統計の取り方によって見え方が異なります。

見る側は良く内容を吟味しないと判断を誤ってしまうかもしれませんね。

また統計資料などを扱う際に学会の資料などはその統計の前提条件などをかなり詳細に記載されていますが、新聞などではとても簡単にしか書いていません。

たぶん業界の記載の基準のようなものはあるのでしょうが、実例をみていると今回の記事の様に『記事で訴えている内容が際立つ』資料をチョイスできる印象を受けます。

『同じ一つの事実』でも書き手の『思い』を強くイメージできる資料をチョイスすることも可能だということです。

また、一口に『防衛費』といっても経済面から見てその支出が他の予算を圧迫しているという面からデータを使いたいなら自国通貨建ての方が良いでしょうし、『軍事大国化を懸念』するということでしたらドル決済するものはドルベースで人件費の様な国内で調達するものでしたら自国通貨で比較するなど工夫が必要かもしれません。


私はアンケート調査の結果が新聞に掲載されるときにも思うのですが、新聞はもうちょっとデータの前提条件を丁寧に掲載して欲しいなって思います。

例えば、

原発推進派は原発推進に都合のいいデータを、
原発反対派は原発反対に都合のいいデータを、

それぞれ出したがると思うのです。

そういうことに惑わされないためには、『資料を正確に』読み取る力って必要なのかな、って思います。


ちなみに上記の資料も前提条件を詳細にお伝えしておりませんが、今回の私のブログ記事の趣旨としては統計に表された内容を伝えたいわけではありませんので内容を知りたい方は、出典元などをご自分でご確認ください。
<(_ _)>

自分の子供には、『法律のこと』、『ファイナンスのこと』とともに『統計資料の正確な読み方』を教えたいなって思いました。

まぁ、そのためには、おとっつぁんがまず勉強しなくちゃ。
(^_^;)

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コメント 7

いっぷく

示唆にとんだすばらしい記事ですね。
事実でなければもちろん論外として
たとえ事実であっても、それをいかなる価値で利用しているか
を見抜くことが重要である、というのは、
マスコミ報道に限らずこの世の中みちています。
たとえば科学。科学の実践は
私たちの暮らしに役立てることもあれば
原爆や公害やサリンにもなります。
これは、科学は知識さえあればいいのではなく
いかなる価値に使われているかが大切だと思うのです。
人間の理性は、「知識」と「(価値)意識」で成り立っていて、
どちらも大切ということなんでしょうね。
知識があっても、意識がまずいとサリンに走ってしまうわけです。
統計を扱う「知識」に詳しくても、
マスコミの意図という「価値意識」を読みきれないと
騙されてしまうこともあるわけです。
理系の高学歴がわけのわからないオウム教団に
騙されたのはそういうことだと思うのです。
人の価値意識を学ぶには、
文芸とか宗教とか芸術はもちろん、
個々の書き込みの善し悪しは別として、ネット掲示板なども
ひとつの教材だろうなとは思います。
気をつけて扱いたい教材ではありますけどね。
by いっぷく (2013-01-15 23:56) 

はる

いっぷくさん、とても励みになる書き込みをありがとうございます。<(_ _)>
確かに科学って恐い面がありますよね。
簡単に言うと倫理観とか哲学とかなのかもしれませんが、
何より私は『想像力』がモノを言うのかなって思います。奥が深い想像力、大切じゃないかと…。
マスコミと対立するかのようにネットの世界がありますが、ネットはマスコミ以上に恐い世界だと思います。少なくともマスコミは逃げも隠れもしない、公に存在を明らかにしている組織ですが、ネットの情報の出所は無責任極まりないものですから…。
以前、いじめに関わった子どもの父兄の写真として誤ったものがネットに出回ったようですが、ソースを確認しないで極端な行動に出てしまう人は一体何がしたいのかと思ってしまいます。
私はオウム事件のとき、一斉に国民の敵となった長野県の河野義行さんのことを思い出します。あのとき私は、あの人が絶対犯人だと思いました。その時の教訓を少しは生かしているつもりです。勝手にその場の状況に踊らされないこと、注意したいものです。
by はる (2013-01-16 00:49) 

はる

あ、別に正確な情報だからってネットに個人の写真を流布していいとも思っていはいませんが…。^_^;
by はる (2013-01-16 00:50) 

opas10

企業内でも様々な局面で定量的な根拠を求められることがあります。はるさんのおっしゃるように、ベースを精査することなく数字の字面だけで判断すると大変危険なことが多いですよね。(そしてそのことに気が付いていないマネジメントも)
by opas10 (2013-01-20 12:27) 

はる

opas10さん、コメントありがとうございます。
そうですね、企業内でもこういうことはよくありますね。
私は仕事柄、数値の提示を求められることがありますが、ご指摘のような『拙速による弊害』よりは、むしろ、『何もしないこと』による弊害に出くわすことがあります。
結構を手間をかけて数値を集計しても結局それに伴う『行動』が何もないことがよくあります。管理会計ってやりだすとどこまででも細かくできます。その目的は未来の行動のもとにすることだと思いますが、行動が伴わないデータ分析が多くて辟易することしばしばです。
by はる (2013-01-20 19:34) 

通りすがりからの質問

こんにちは。たまたまウェブで同報告書のことを調べていたところ、このサイトに遭遇しました。統計の読み方等、本当に勉強になりいいサイトですね。CSISの報告書についてひとつ質問ですが、この報告書は各国の国防費を2011年の米国ドルとの為替レートを統一基準として計算したとあります。素人の質問で大変恐縮ですが、この場合でも、各年の為替レートの変動は考慮に入れるべきなのでしょうか?もしかすると日本の防衛費の上昇は在日米軍再編費用(日本政府の公式見解では防衛費に含まれていない)などを考慮に入れた結果なのかなと思ったのですが、いかんせんデータの読み方が素人なのでよくわかりません。もしよろしければ、ご教授いただければ幸いです。
by 通りすがりからの質問 (2013-03-04 16:17) 

はる

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
とても貴重なご質問コメント、すぐにでもお返事をしたいところですが、私も素人でパパッと答えらえず、お時間を頂かないとすぐには…。今日は遅くなってしまったので、日を改めてお答えできればと思いますので、懲りずにまたご訪問下さいますようお願いします。<(_ _)>
by はる (2013-03-05 02:42) 

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