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【添乗員にとっての「接遇」とは…】 [添乗員こぼれ話]

接遇と言えば、我が家では「接遇おばさん」の愛称(??)で呼ばれていた、

平林都女史を思い浮かべることも多いかと思います。
平林都_接遇001.jpg

「エチカの鏡」というテレビ番組でブレイクした、企業のマナー研修をする方です。

超スパルタ教育で受講中に泣き出してしまう受講生が続出するような激しい口調がテレビで受けたようですね。

私はあの人の顔が怖かった。

接遇では笑顔が大事だと説いて、「口角を上げる!」と自ら歯をニッて見せた顔をやってみせますが、口が笑っているのに、目が笑っていない。

こういう顔…結構怖いです。


私の好きな顔は、作らなくても内面からにじみ出ているような笑顔です。



さて、私が「接遇」という言葉と出会ったのは…

この「接遇おばさん」ではなく、旅行会社の営業マンをしている時代でした。

私が勤務していた旅行会社は経済視察団とか国会議員の訪問団なんてのを多く手掛けていたので、要所要所で「それなりの対応」をすることを求められます。

私も総理大臣経験者の方を成田空港でお見送りするときのスタッフで参加したりしましたが、それはもう大騒ぎです。


さて、このような所謂「VIP」が旅行に出掛けるときにおさえるべきサービスとして、「接遇」がありました。

私はこの手の仕事はあまり張り切ってできないものでしたが、仕事ですから仕方ありません。


私たちのなかで「接遇」とは、成田空港でのお世話一切を空港関係者、航空会社に依頼して、「不快感なくご出発頂くためのサービス」でした。

航空会社の接遇係りの様な人たちがいて国会議員の様な方々の団体の場合には、接遇係りの「お偉い方」が出てきます。髪の毛なんか油でばっちり固めたような…。

前泊ホテルのスイートルームをおさえ、

「私は、朝食は〇〇のヨーグルトじゃないと嫌なの」

って、言われればそのヨーグルトをルームサービスで提供できるように手配し、空港のチェックイン手続き中などは、くつろげる「VIPルーム」という名のラウンジを用意し、

(VIPルームなんてネーミング、よく気恥ずかしくないなぁって思っちゃいます(^_^;))

おビールで乾杯して壮行会が開催されたりします。

今はどうか知りませんが、私がいた頃は、VIPルームは数が少なく収容人数も異なるので同じような規模のお偉方の団体さんの時間がかち合っちゃうと部屋の取り合いになりますので、如何に早くスケジュールを決定し、この様な施設を「おさえ」にかかるのかも重要だったりします。

会社で言ったら「総務部」の方々はこういうの、得意かもしれませんね。

また、場合によっては、イミグレーション(出国手続き)も「便宜供与」という名の「特別扱い」を手配しなければなりません。

これらは確か外務省で認められるランキングみたいなのがあったと記憶してます。

ちょっと良くは覚えていませんが、国会議員でも「大臣経験者」が同行する団体だと「あり」だとか、企業のVIPなら一部上場企業の「代表取締役」なら…、とかそんなんじゃなかったかと…。

飛行機に乗るまで、「一般ピープル」とは全く別ルートで行けるように手配されます。

イミグレーションでは「一般ピープル」の私たちは(添乗員だって例外ではないのはもちろん)、行列に並んで(ゲッ!あっちの列の方が早かった!)なんて思いながら、我慢しますが、VIPにはそんなストレスは感じさせてはならないのです。


さて、日本国内では航空会社を始めとして関連各所と私たちも通常からお付き合いしていますし、こちらから言われなくても、それぞれの方々も「そそうがあっては大変だ」とそれなりに、協力的に対応してくれますが、海外ではそうもいきません。

当然、しかるべき人的ルートを駆使して、海外でも「特別扱い」してもらうべく根回しをするわけですが…。

私はこのようなケースで苦い経験があります。


初めて、経済視察団の添乗を一人で任された時の話です。

参加者は、世界でも名だたるような企業の副社長、冠つき取締役クラスで飛行機の数少ないファーストクラスをどうやって序列を決めてビジネスクラスに振り分けるか…なんて悩んじゃうような人たちです。

訪問団の団長は有名な建機メーカーの会長でした。


訪問団は、各界の要人ですので、全行程参加できる役員は少ないのです。

2日目の午後に入国して途中から訪問団に合流する人、3日目に現地法人に用事を済ませるため、別手配の車に乗って、夕食に合流する人、4日目の早朝便で帰国する人…

みたいに別行動する人がやたらといます。私たちはこういう人たちのことを

「ディビエーター」略して「ディビ」なんて呼んでいました。

(注)こちらではありません…(^_^;)
デヴィ夫人

私は旅行期間中、全員のパスポートを持たなければならず、万一、4日目の早朝便の帰国する人のパスポートを渡しそびれて空港に行かれてしまったりしたら大変なことになりますので気の休まる暇はありません。

もちろん訪問団そのものには主催者の事務局の方々がいますので、通常の旅行の様になんでもかんでも添乗員がするのではなく旅行そのものにまつわるものだけですが…。

この主催者の方々は何名も同行し、昼間視察した時の議事録やら資料やらを夜中、場合によっては徹夜に近い状態で作成して翌朝に団員の皆様に配布しなければなりません。

会社に帰ってわざわざ報告書なんて作らなくてもいいようにして「差し上げる」わけです。

私たち旅行会社にとって、この主催者の皆様はお得意様なわけで、いくら「旅行と関係ないから」といっても「それではお疲れ様でした!」と言って添乗員だけグースカ寝るわけにもいかず、結局は寝ないでワープロのお手伝いとか資料を印刷するためホテルのビジネスセンターを何往復もしたり、ホチキスでパチパチやったりするわけです。

ほとんど眠れないので意識がもうろうとしてきます。

それでも、私もこの事務局スタッフと一緒に仕事をするうちに連帯感が芽生え、何となく和気藹々とした雰囲気に溶け込めてうれしかったりもしました。

さて、1週間程度の中国の視察や表敬訪問の全行程をほぼ終えて、

「後は明日、香港に出国、1泊して帰国」

というところまで、大過なく終盤を迎えました。


中国の最終宿泊地は広東省、深センというところでした。

翌日はバスで移動します。

まだ当時は香港は中国に返還されておらずイギリス領でしたのでイミグレーションを通過しなければなりません。
(調べてみたら今もイミグレーションあるみたいですね…よくわかりませんが…)

「一般ピープル」は、バスで高速道路の料金所に毛が生えたような建物を通過するときに全員パスポートと出入国手続きの書類を持って下車して一人づつチェックを受けるのですが、VIPにはそんなことはさせません。

団長、副団長は、黒塗りのベンツ、他の団員の皆々様バスから、、、、降りることなく、イミグレーションを通過させなければなりません。

この時にトラブルは発生しました。

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◆ 20代のほぼすべてを捧げた旅行会社での仕事。大好きな仕事でしたが数多くの失敗やトラブルにも見舞われました。そんなトラブルや失敗にまつわる添乗員の裏話をお伝え致します。
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